加害者が示談を急いで迫ってくる場合とは

交通事故を起こした加害者は、3つの法律上の責任を負わされる。1つは、行政上の責任で、道路交通法により、反則金、免許停止・取り消しなどである。2つ目は、刑事上の責任。刑法・道路交通法上の懲役、禁錮、罰金など。最後が、民法上の責任で、損害賠償責任。

事故発生から数カ月たったころ、突然、加害者が示談を早くしてくれと言ってくる場合がある。それは加害者が刑事責任を問われてる場合。

その理由は、検察段階で、示談が出来ていなければ本裁判にするか、示談が出来ていれば、起訴猶予あるいは略式罰金で済まされるケースもあり、また本裁判でも、示談が出来ていれば情状が酌量され、執行猶予が付くか、示談が出来ていれば禁錮刑に処せられることがあるからだ。

何としてでも刑を軽くしたい加害者は、平身低頭、誠意をもって、早急に示談交渉をするように持ちかけてくる。しかしこれは、加害者の一方的な都合による要求に過ぎない。示談をまとめるチャンスではあるが、それだけで話を進めるのは危険である。