保険会社の代理人が示談交渉に来る場合を想定して、解説する。

傷害事故で入院した場合などには、まず、最初は保険会社の交渉担当者が挨拶にくる。これは、挨拶と共に被害者の状況を知ることが目的のようだ。

本格的な示談の交渉は傷害の治療が完治してからという事になる。このとき、保険会社は損害賠償を提示する。比較的軽い傷害であれば、損害賠償額も少なく、強制保険の範囲内（障害の場合120万円まで）であれば、自賠責保険から支払われることになる。

この額を超えると任意保険から支払われることになるが、この任意保険の支払額は各保険会社の支払い基準によって提示されることになる。ただし、この提示額はあくまで保険会社の支払い基準に沿ったものであり、交渉で絶対に動かせない基準というものではなく、交渉の余地があるため、十分検討すること。

というのは、保険会社の基準は、日弁連交通事故相談センターの損害補償額の支払い基準よりも、一般的には低く設定されている。

したがって、保険会社の示す賠償額が低いと思ったら、アップする交渉をやってみること。