通院に要する交通費も請求できる

被害者本人が治療を受けるために通院する場合の交通費はもとより、付添い人の交通費も請求できるのは当然である。誤解の無いように言っておくが、通院の交通手段としてタクシーを利用すれば、そのタクシー代がすべて無条件に認められるというわけではない。

あくまでもタクシーの利用が認められるのは、重傷で緊急を要する場合、ケガの箇所が足で歩けない場合、体が衰弱している、他にタクシー以外に交通の手段がないなどの場合に限られる。電車やバスがあるのにタクシーを利用しても認められない。

バスや電車を利用した場合には、費用を請求するのに領収書は必要ないが、タクシー代を請求するときは領収書が必要になる場合が多いようであるから、必ず領収書をもらえるようにする。

なお、自宅からJRの駅まで、徒歩25分を要し、しかも便数が少なく不便であるとして左手疼痛の被害者に通院実費としてタクシー代254万3390円を認めた例がある。

交通費以外の雑費については、領収書等により証明しなくても、入院1日につき1400~1600円見当で認められている。