物損事故の場合、人身事故と違い、事故を起こした加害者、被害者双方があまり深刻にならない場合が多いようだ。ケガが無くてよかったと安堵するあまり、警察への事故届をしないといった場合もある。こうしたことが、以後に大きなトラブルとなることもある。

実は、物損事故の場合、示談の交渉がこじれると厄介な事がある。

まず、第一の問題点は、一般に被害額が少ないという事。これが問題となるのは、加害者側の損害賠償の提示額が低いと思っても、示談交渉がまとまらない場合、裁判にかける時間や費用を考えると、提示された示談額で解決するしかないという場合がある。

第二に、物損事故の場合、人身事故と違い任意保険に加入している場合が少ないという事。加害者が任意保険の対物保険に加入していない場合は、加害者自身が支払わなければならず、金策が必要という事になる。そこで、加害者にお金がない時は、工面してもらうまで待つことになり、最悪の場合は示談は成立しても、示談金が支払われないというケースも考えられる。